会計の必要性

1.なぜ帳簿を作成しなければならないか

突然ですが、なぜ帳簿は作成しなければならないのでしょうか?

帳簿の作成には時間と技術を要します。しかも、法人であれ個人であれ、開業してから廃業するまでずっと作成し続けなければなりません。
では、それだけの労力を要して作成される帳簿にはどれほどの意味があるのでしょうか。
帳簿を作成するのには2つの意味があると私は考えています。

まず第一に、事業を行う限りは税務署に経営成績等を申告しなければならないため、その基礎資料である帳簿の作成が義務付けられていることが挙げられます。

税務署に提出する申告書は、当然に実際に行われた取引を報告しなければなりません。その取引の各合計金額を申告書に記載して提出することとなりますが、すべての取引を記憶している方などいないため、取引を何かに記載しておかないと申告書を作成することができません。
正確な申告書を作成するためにも、日々の帳簿を作成することが義務付けられているのです。

第二に、自社の経営状況を把握するため帳簿を作成する必要があります。
税務署が帳簿の作成を義務付けていることよりも、こちらの考え方にウエイトを置くべきだと私は考えています。

自社の経営を考えた場合、経営は常に改善を行わなくてはなりません。
経営の改善を行うためには、まず問題点や優良な点を見つけ出すことが必要です。

会計は数字で結果が現されているため、問題点等が明確に分かります。数字で明らかにされた問題点を如何に改善していくか、又は優良な点を如何に伸ばしていくかの取り組みに企業の将来が掛かっていのです。
極端な言い方をしてしまうと、経営の改善は数字に基づいてのみ行うことができると考えられます。その意味で、日々の帳簿を的確に作成し、リアルタイムな経営状況を数字で把握しなければなりません。

「 企業の将来を構築するための基礎材料 = 日々の帳簿 」
この考え方を理解していただければ、帳簿の重要性を認識してもらえると思います。


2.理想的な帳簿

帳簿は義務だからといって、ただ作成するだけでは単なる集計作業になってしまいます。その先の経営に活かす指標として活用してこそ、帳簿を作成する本当の意味合いが出てくるのです。

作成した帳簿を経営に活かすためには、すべてを自社で作成し、リアルタイムな数字を把握することができる体制を整える必要があります。つまり、毎日取引を帳簿に記載し、その日までの貸借対照表及び損益計算書を見られるようにしておきます。すると、一ヶ月の経営成績を翌月一日に確認することができます。それにより、当月以降の目標設定や改善項目の可視化が行われようになるのです。

会計を経営に役立てるために、リアルタイムな帳簿の作成にぜひ挑戦してみて下さい。
会計ソフトを使用すると意外に簡単に作成することができる様になります。帳簿を付けることを日常的な業務にしてしまえば、それ程難しいことではないと思います。
リアルタイムな帳簿を作成し、経営状況を数字で把握する経営を行うようになりますと、企業としてのレベルが上がること間違いなしです。


3.帳簿の作成方法

毎月の帳簿の作成方法については、大きく次の3つに分けられると思います。


(1) すべてを自社で作成する方法

(2) 日々の記帳を自社で行い、試算表だけ会計事務所に依頼する方法

(3) 記帳すべてを会計事務所に依頼する方法

(1)から(3)での方法がありますが、(1)のすべてを自社で作成する方法が一番の理想です。
但し、開業当初は経理部門を設けることは難しいと思います。ある程度の規模になるまでは、売上を伸ばすことに集中したり、社内のシステムを構築する作業が最優先になるでしょう。
その様な現実的な部分を考えると、最初は帳簿の作成を会計事務所に委託することも良い方法だと思います。

まずは会計事務所にある程度の部分を委託して、経理の基礎を構築してもらいます。
そして、次のステップとして現金預金等の基礎的な記帳を自社で行い、会計事務所には毎月の試算表のみを作成してもらいます。
しばらくして、経理の体制が整うようになりましたら、自社で帳簿を作成するようにすればよいのです。

自社ですべてを作成するとなると難易度が高いように感じられますが、経営者にとってもっとも役に立つ指標を作成すると思えばやりがいも出てくるものです。

会計の活かし方又は使い方により将来の企業経営の方向性が大きく変わっていきます。帳簿は必ず作成しなければならないのですから、どうせなら自社にとって最も有用な帳簿を作成してみてはいかがでしょうか。

 

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